街並みの名称 | 散居村 | 地図 |
所在地 | 砺波市 | |
訪問日 | 平成29年7月18日 |
富山県の西部に位置する砺波平野は、およそ220キロ平方メートルの広さを持つ庄川と小矢部川がつくった扇状地平野です。 砺波平野の散居村の成り立ちは、それぞれの農家が自分のまわりの農地を開拓して稲作を行ってきたということにあります。農地が自分の家のまわりにあることは、田植え後の朝夕の水の見回りや、肥料散布などの管理、刈り取ったあとの稲の運搬など、日常の農作業をするためにはとても効率の良いことでした。 砺波平野の散居村の特徴としては、それぞれの家の周りに屋敷林をめぐらせてきたことです。屋敷林は「カイニョ」と呼ばれ、冬の冷たい季節風や吹雪、夏の日差しなどから家や人々を守ってくれました。スギの落ち葉や枝木などは毎日の炊事や風呂焚きの大切な燃料として利用されてきました。また、主要な屋敷林のスギやケヤキ、タケなどは家を新築する際の建材や様々な生活道具の用材として利用されてきました。 このように散居村の農家の人々は、自分の住まいのまわりの農地を耕して米や野菜を作って生活の糧とし、日常生活に必要な資材を屋敷林から調達するという、きわめて自給自足に近い生活を送ってきました。 散居村という集落形態は、砺波平野で暮らした先人たちが、自然に働きかけて自然との共生を図って伝えた知恵の結晶ともいえるものです。 |
砺波平野に広がる散居村 |
屋敷林 | |
屋敷林を持つ家 | |