下蚊屋村の木地屋は、慶安年間(1,648〜52)、江州日野町(滋賀県日野町)の塗師職であった小椋家の先祖が同業者と打ち連れて下蚊屋へ移って来たのに始まるという。 「氏子馳帳」の正保4(1647)年の条は、木地師戸主と思われるものは19人の名前が記載されており、下蚊屋への木地師の移住は古くは室町・戦国期までさかのぼるとも考えられる。 木地物の生産は、明治期になっても、しばらく続けられた。やがて瀬戸物とか唐津と呼ばれる陶磁器の出現により衰退を始める。