島根半島最北端にたたずむ日本の秘境といわれる素朴な集落である。イカ漁が盛んである。 出雲で再興を企てた尼子勝久らが敗れ、隠岐へ退出するとき、沖泊より船を仕掛け、地下人2人をからめ捕り、札を立て隠岐へ向ったというのである。(元亀3年5月4日付の「小早川隆景書状」に「北野浦波之内沖泊」とみえる)隠岐への最短地である。
半島の基部西南海岸に多古、東北崖下の海岸に沖泊の集落がある。古くから漁業と行商を生業としたが、近年では、多古・沖泊の両漁港とも整備され、ワカメの養殖・一本釣りが有名となっている。