阿蘇外輪山に位置する山あいのひなびた湯治場であり、旅館も20数軒で農家兼業が多かった。自然を感じさせる露天風呂を全旅館に採用したことが人気を呼んだ。黒川温泉の特徴は、露天風呂と田舎情緒であった。 また、単独の旅館が栄えても温泉街の発展にはつながらないと考え、温泉街一体で取り組んだ。 昭和61年、すべての旅館の露天風呂に自由に入ることのできる入湯手形を発行し、さらに、町全体に自然の雰囲気を出すため、町中に立てられていたすべての看板を撤去するとともに木などの植栽を変えた。その結果、温泉街全体が自然に囲まれたような景観や温泉街が生まれ、宿には鄙びた湯の町情緒が形成された。