古くは塩を作ったことから塩浜村とも呼んだ。竹野川の河口に位置する。竹野は、北前船の村として隆盛を見た。また揚浜法による製塩が行われ、元禄12年の出石藩への上納高は塩164石余・魚油1石余。またしばしば大火に見舞われ万時3年の全勝、宝暦3年の大火、天明5年300余軒・文政6年263軒・天保6年275軒・同10年265軒・慶応2年259軒が焼失した。

　竹野は、古来から多くの職人を生み、京都では竹野の大工をもって但馬の大工と呼んだと伝える。これらの職人は京都で技術を身につけ、棟梁を中心に木挽工・左官・屋根工・鍛冶工・石工が一団となって各地に活躍した。

　明治45年山陰本線の開通により、江戸中期から繁栄した北前船は次第に衰微した。