宇和木は大白明川と大谷川の二つの川の河口に新開が拓かれ、町域(倉橋)のなかでも最も広い農耕平地を持つに至った。現在残存する諸資料や口碑で探る限りでは倉橋町域には造成された塩田はなく、この宇和木の干拓は塩田ではないが、町内唯一の近世の陸地造成の例といえるかもしれない。この干拓によって宇和木の平地に家々が増え、その集落としての性格も変わっていった。(倉橋町史)