近世初期から大曲は羽州街道沿いの要地として重きをなし、貞享2(1685)年には本陣が置かれた。 舟運でも船着場をもち、物資と人の交流も盛んとなり、次第に横手盆地有数の商業町に成長する。 大曲の宿駅は、現在の上大町の一帯にあったといわれている。駅場には、伝馬役所のほか倉庫、馬繋き場、高札場などがあった。商取引の中心が駅場役所前の十文字角(旧寺町十文字)であり、ここを中心として、羽州街道筋の両側には南北に街並みが形成されていた。